ゴム輪結紮術体験談 内痔核

外科医が内痔核の患者になった話

悪化から受診まで 1

きっとすぐに良くなるだろうと思う予想は見事に裏切られ、一日中患部が気になる日々が続く。

結紮切除(Ligation and Excision: LE、痔を切り取ること)の手術や、保存的治療も外科医として行った事があり、ある程度の知識はある。

このままではダメだと思い、保存的治療(手術以外の薬などで治療すること)を開始してみた。

強力ポステリザン軟膏、ネリプロクト座薬、ロキソニン内服、アセトアミノフェン内服。

 

まだこの段階でも明日は良くなる、明日こそは良くなると思い続け、薬の治療をひたすら続け改善の日を待ち続けた。

ちなみに職場や家庭には、体調が悪い事は腰痛のせいだと伝えた。言えるわけもない、、。

続く

悪化までの経過 2

数年間Goligher(ゴリガー)3度の内痔核と付き合いながら、ずーとこのまま年を重ねていくんだろうなと思いながら特に気にせず生活をしていたある日。

お腹を下してトイレに行った後すぐに、比較的長時間の緊急手術依頼があった。

なかなか大変な手術であったが比較的順調に進み、手術も終盤に差し掛かったとき、ふと痔核の強い痛みを自覚した。今思えばやや嵌頓(内痔核が外に出ている状態)した状態で長時間の立ち仕事をしたのがまずかったのだろう。急に脂汗が吹き出してきて気分が悪くなるも、手術メンバーには当然言えるわけもない。終わってすぐにトイレに行き、脱出した内痔核を戻すもいつもとは違う激痛が続く。

このときもまだ暫くしたら痛みも消え、明日から元通りの生活に戻るだろうと思っていた。

続く

 

 

悪化までの経過 1

遠い昔の医学生時代に痔核手術の淡い記憶

 

恥ずかしかった思い出しかなく、当時医学生のくせにどんな手術をしたかも思い出せない。

 

しばらくは良かったが、年中おなかが緩く、「怒責」(強くいきむ事)が当たり前になっており、いわゆる内痔核になりやすい体質であったと思う。

 

過去数年は、排便後痔核を毎回の様に戻さなければならない生活が続く。しかし、出血や疼痛はほとんど感じず、人知れずそんな状況とお付き合いする感じであった。

 

その後医師、外科医となり、

自分は内痔核のGoligher 2-3度(II-III度)なんだなあと自己診断。

参照: 肛門疾患診療ガイドライン2014-2

 

この時はこんなに辛い状況になるとはつゆとも思っていなかった、、

 

続く

 

はじめに

日頃は外科医として手術を行う側ですが、今回患者側として内痔核の治療(ゴム輪結紮術)を施行してもらい、貴重な?体験をしましたので少しずつ体験談を書き留めていこうと思います。同じ悩みをもつ方々に少しでも情報提供できれば、、